公務員の職務経歴書は、「書くことがない」ところから始まります。
私もそうでした。用紙を前にして、手が止まりました。売上も、利益も、担当した案件の金額も書けない。書けるのは「担当しました」だけです。
それでも最終的には、書類を通して転職しています。
この記事では、実際に使った構成と、「書くことがない」状態から何をひねり出したのかを公開します。
公務員の職務経歴書が難しい理由
売上も利益も書けない
民間の職務経歴書の見本を見ると、大概数字が並んでいます。
売上何円、前年比何パーセント、達成率何パーセント。
公務員には、これがありません。
売上を上げる仕事ではないので、当たり前です。でも、書く側になると困ります。
「担当した」しか書けなくなる
結果、こういう文章になります。
「総務業務を担当」「予算編成を担当」「窓口業務を担当」。
間違ってはいません。ただ、これだけだと何ができる人なのかが伝わりません。
私は50社以上落ちましたが、初期の書類はまさにこれでした。
実際に使った構成
最終的に落ち着いたのは、この形です。
1. 職務要約
全体を200字前後で。いつからいつまで、どこで、何をしていたか。ここだけ読んで判断されることもあるので、一番時間をかけました。
2. 職務経歴
所属ごとに、期間・部署・人数を先に書く。その上で【担当】【業務内容】【実績・取り組み】の3ブロックに分けました。
3. 資格
取得年月と並べて。
4. 経験・知識・技術
箇条書き。応募先が探しているキーワードを拾ってもらうためのブロックです。
5. 自己PR
応募先ごとに書き直す前提で。
ポイントは、【業務内容】と【実績・取り組み】を分けたことです。
分けないと、全部が「担当していました」の羅列になります。
【実績・取り組み】に何を書くか
ここが、公務員の職務経歴書で一番大事な部分だと思っています。
数字にできるものを探す
売上はなくても、数字になるものはあります。
私が実際に書いたのは、この2つです。
一つは、毎月の予算執行状況を上長に報告する際、システムから出力したCSVを報告書に手で転記していたのを、Excelのマクロで自動化したこと。年間36時間削減です。
もう一つは、職員用グループウェアに広告枠の作成を提案して採択され、年間50万円の予算を獲得したことです。
どちらも、仕事全体から見れば小さな話です。
でも、数字が入っていると、読む側の印象が変わります。
時間、金額、件数、人数、台数。このあたりを探してください。必ず何かあります。
自分から動いたことを書く
もう一つの軸がこれです。
公務員の仕事は、基本的に決まった手順を正確に回すことです。だからこそ、自分の意思で何かを変えた経験は目立ちます。
改善した、提案した、マニュアルを作った、仕組みを変えた。
民間の採用側が公務員に対して一番不安に思っているのは、「言われたことしかやらないのではないか」です。
そこに先回りするためのブロックだと思ってください。

公務員の業務を、民間の言葉に置き換える
これをやるだけで、伝わり方がかなり変わります。
行政の中だけで使われている言葉は、民間の採用担当者には伝わりません。意味が分からないと、読み飛ばされます。
| 行政の言葉 | 民間に届く言い方 |
|---|---|
| 予算編成 | 年間予算の策定と、各部門との折衝 |
| 歳入歳出管理 | 予実管理 |
| 決算 | 年度の収支を確定させる業務 |
| 住民対応・窓口 | 顧客対応、クレーム対応 |
| 決裁を取る | 社内の承認プロセスを通す |
| 部署間調整 | 部門横断の調整 |
| 調達・契約 | ベンダー選定と発注管理 |
例えば私は、公会計での歳入歳出管理をやっていました。が、「款・項・目の分類で管理」と書いても、伝わる人は限られます。
行政特有の会計を扱っていた、という事実は残しつつ、予実管理として何をしていたのかを先に書く。この順番だけの話です。
なお、自治体名やシステムの固有名詞、取引先の名前は書かないこと。地方公務員法の守秘義務は退職後も続きます。
やらないほうがいいこと
自分がやってしまっていたことも含めて、書いておきます。
1. 年数を実績のかわりにしない
「9年勤務」は実績ではなく事実です。年数を強調するほど、中身がないことが目立ちます。
2. 正確さや真面目さだけを売らない
大事ですが、これだけだと他の候補と差がつきません。正確さは「何をどう回して守っていたか」とセットで書く。
3. 自己PRを使い回さない
ここは応募先ごとに書き直します。相手が何を求めているのかで、前に出すべき経験が変わるからです。
実際、私がいまの会社に出した書類では、Webの経験と並べて市役所での財務・事務処理の経験を前に出しました。通販部門は、受注や請求の事務処理が大量に発生する部署だからです。
同じ経歴でも、前に出す順番を変えるだけで印象が変わります。

書けるものがないと思ったら
これが、一番伝えたいことです。
職務経歴書を書こうとして手が止まったとき、私は「自分には何もない」と思いました。
実際には、なかったのではなく書き方が分からなかっただけでした。
マクロの話も、広告枠の話も、当時は実績だと思っていませんでした。ちょっとした工夫くらいの認識です。
書いてみると、形になりました。
まずは、この9年でやったことを全部書き出してください。選ぶのはそのあとです。先に選もうとするから、何もないと思ってしまいます。
書類を見てもらうという選択肢
自分で書いたものを、自分で評価するのは難しいです。
私は1回目の転職で、これをやらずに50社以上落ちました。
自分の書類のどこが弱いのか、落ちている間は分かりません。不採用の理由は教えてもらえないからです。
添削をやっているエージェントに一度見てもらうのは、単純に第三者の目を入れる手段として有効だと思います。
その上で提案された求人に応募するかどうかは、別の話です。書類だけ見てもらって終わりにしても問題ありません。
書類を人に見てもらうという選択肢
ここまで書き方を説明してきましたが、自分ひとりで書き切るのはかなりきついです。
公務員の職務経歴書は、そもそも書く前提の資料が手元にありません。売上も、案件金額も、担当した企業名も出せない。
私はエージェントに添削してもらって、書類が通るようになりました。使ったのはリクルートエージェントですが、書類添削と面接対策をやっているところなら、どこでも同じことは頼めます。
無料なので、書けないまま止まっているより早いです。
- 18〜28歳
- 全国対応・オンライン面談可
- 高卒・中退・既卒OK
書類の添削と面接対策をやっているサービスです。オンライン面談で完結するので、地方に住んだままでも使えます。ただし29歳以上は対象外です。
- 18〜35歳
- 対象地域 12都府県
- 未経験OK・書類選考なし
研修と面接対策が無料で受けられます。就職希望地域が東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・岐阜・三重・大阪・京都・兵庫・福岡・熊本のいずれかである必要があります。
※いずれも無料です。私自身はこれらを利用していません(私が使ったのはリクルートエージェントです)。条件で選べるように並べています。登録しても、必ず転職しなければいけないわけではありません。

