公務員を辞めて、次に入った会社の話をします。
結論から書くと、いわゆるブラック企業でした。
9年勤めた市役所を辞めて、その先がこれでした。公務員からの転職を考えている人には、一番読んでおいてほしい記事かもしれません。
転職先は、いわゆるブラック企業だった
50社以上から不採用をもらったあと、やっと拾ってくれたのWebコンサル会社でした。
仕事はWebサイト制作の企画提案。営業としてヒアリングから提案、見積、クロージングまで担当して、公開後の保守運用まで見る。希望していたWeb業界です。
内定をもらったときは、素直に嬉しかったです。
その嬉しさが、入社してから少しずつ削られていきました。

タイムカードは18時、退社は24時過ぎ
サービス残業と、持ち帰りの仕事
定時は18時でした。
18時になるとタイムカードを切ります。でも、帰りません。そのまま席に戻って、連日24時過ぎまで働いていました。
記録の上では、私は毎日定時で帰っていることになっています。
それでも終わらない分は、持ち帰りました。家で提案書を作る。家でサイトを直す。これが普通でした。
公務員時代にも忙しい時期はありました。予算編成と決算の時期は相応に大変です。ただ、残業したら残業として記録されていました。この違いは大きいです。
土日祝も、サイトトラブルで呼び出される
Webサイトの保守を担当していると、トラブルは曜日を選んでくれません。
サイトが見られない、フォームが動かない。連絡が来れば、土曜だろうが祝日だろうが対応します。
トラブル対応そのものは、仕事として当然だと思っています。問題は、それが一人に集中して、しかも休日の扱いにならないことでした。
休みの日も、スマホを手放せない。連絡が来ないか気にしながら過ごす。これが3年続きました。

「今の時代だからこそ昭和」という社長
ワークライフバランスは衰退の原因、という考え方
この会社の体質を一言で表すなら、社長の口癖が一番分かりやすいと思います。
ワークライフバランスなんてものがあるから日本は衰退したんだ。
昔はパワハラなんて言葉はなかったから、好きなようにやれた。
冗談ではなく、本気で言っていました。
むしろ「今の時代だからこそ昭和だ」という、ある種の信念のようなものがあったと思います。周りが働き方を見直しているのなら、うちは逆に行く。それが強さだと。
そして、社長が絶対でした。方針に意見を言うという発想が、そもそも存在しない空気です。
休日の社内イベントは、休みではなかった
社内イベントが、とにかく多い会社でした。
しかも休日に入ります。形の上では自由参加ですが、行かないという選択肢は実質ありません。
カレンダーの上では休みなのに、実際には休めていない。この状態が、じわじわこたえてきます。
なお、パワハラやモラハラも普通にありました。ここは具体的に書くと長くなるので、事実だけ書いておきます。
仕事と私生活の境目がなくなっていった
一番しんどかったのは、長時間労働そのものではありません。
仕事とプライベートの境目がなくなったことです。
平日は24時過ぎまで働いて、帰ってからも持ち帰りの仕事がある。休日はイベントか、トラブル対応の連絡を待っている。
どこからどこまでが仕事なのか、自分でも分からなくなりました。
体を壊す前に、先に精神が休まらなくなります。これは、実際になってみないと分からなかったことでした。

それでも3年間続けた理由
スキルは確実に身についた
ここは公平に書きます。
3年間で18サイトの制作案件を担当しました。提案して、制作チームと顧客のあいだを調整して、公開して、そのあとの運用まで見る。
WordPressのカスタマイズも自分でやりました。HTML、CSS、PHP。定期バックアップやバージョンアップ対応もです。
Web広告とSNS広告の代理も担当していたので、出稿後の分析と改善提案レポートも作っていました。
この3年で得たものは、なかったことにはできません。
公務員時代に独学したことが、初めて仕事になった
市役所にいた頃、休みの日にひとりでWordPressを触っていました。
それが、仕事になった。
自分がブログでやっていたことを、今度は他人の事業のためにやる。この感覚は、公務員時代にはないものでした。
辞めたいと思いながらも3年いたのは、この部分が本当に面白かったからです。
辞める決め手になったこと
心身が限界に近づいていた
賞与の話をする前に、書いておくべきことがあります。
この頃には、心も体もかなり削られていました。
平日は連日24時過ぎまで働き、家に帰ってからも仕事の続きがある。休日は社内イベントか、サイトトラブルの連絡を待っている。休んでいる時間が、どこにもありませんでした。
体の疲れは、寝れば多少は戻ります。戻らないのは精神のほうでした。
このままだと精神を病む。
そう思った時点で、離脱することは自分の中で決まっていました。あとは、いつ動くかだけの問題です。
仕事は、体を壊す前に辞めたほうがいい。これは、実際にそこまで行ってから思ったことです。
売上の下降と、賞与が出なかった日
会社の売上は、年々下がっていました。
営業として中にいると、数字は見えます。このままだとどうなるかも、なんとなく分かります。
そしてあるとき、賞与が出ませんでした。
これが、実際に動き出す最後の一押しになりました。
公務員のときは、賞与が出ないという事態を想像したことすらありませんでした。出ない可能性がある、という発想自体がないんです。
長時間労働も休日の呼び出しも、「この先につながるなら」と思えば耐えられます。でも、会社自体が下がっていて、その分の返りもないとなると、耐える理由がなくなりました。
公務員から民間に出るとき、確認しておくべきだったこと
いま同じ立場に戻れるなら、確認することははっきりしています。
まず、残業時間がどう記録されているか。面接では聞きづらいですが、求人票の数字と、実態を確かめる方法はあります。口コミサイトでも、エージェント経由でも構いません。
次に、休日の社内イベントがあるか。これは面接で普通に聞けます。「社内の交流の機会はありますか」と聞けば、向こうはむしろ喜んで話してくれます。頻度と参加の実態を聞けば分かります。
そして、会社の売上の推移。中小企業だと公開情報は限られますが、面接で直接聞いても失礼にはなりません。ここをはぐらかされる会社は、それ自体が情報です。
私はこの3つを、どれも確かめていませんでした。
50社以上落ちたあとだったので、受かったことで頭がいっぱいだったというのが正直なところです。
公務員からの転職だと、この状態になりやすいと思います。選べる立場ではないと思っているからです。でも、確認することと選ぶことは別です。
それでもこの3年は無駄ではなかった
この会社に入ったことを、失敗だとは思っています。
ただ、無駄だったとは思っていません。
次の転職で、面接で高く評価されたのはこの3年です。Webサイトの運営実績と、マーケティングの知見。公務員から転職しようとしてたときは50社以上落ちたのに、今度はまるで違いました。
公務員から直接、いまの会社に行けたかというと、それは無理だったと思います。
だからといって、ブラック企業を推奨する気はまったくありません。体を壊していたら、この話はここに書けていません。
言いたいのは、公務員を辞めた先が、必ずしもいい会社とは限らないということです。
公務員を辞めるかどうかの前に、行き先をどう見定めるか。こっちのほうが、実は重要だったと思っています。
入る前に、その会社の労働環境や将来性を自分だけで見抜くのは簡単ではありません。行き先を選ぶ前に、まず自分の市場価値や希望条件を整理しておくと、比較する軸ができます。
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29歳までです。
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